メイド服とフレンチメイド服の差は何か、という問題である。先に答を言ってしまおう。
それはスカート丈の短さである。
ファッションでいうところのフランス革命スタイル（でたらめな、乱れた、適当なスタイル）やヴィクトリア朝期の英国文化圏におけるフランス風（下品な、お下劣な）ということから由来しているのだろう。スカート丈の短い、即ち下品で下劣で性的なアレンジスタイルにフレンチ、とつけられるのである。
もちろん、フレンチとつけば何でもスカートが短い、というわけではないし、そうそう「フレンチ」な衣装も史料が無いが、ヴィクトリア朝期のファッションで別枠で「フレンチ」が存在するものは意図的に脚を露出させるために丈を短くしたか全体的にゆったりとしたか、のようである。
代表例としては、日本では一般的ではないが、フレンチセーラードレス、というものがある。女子用のセーラー服のブラウスをゆったりとしたデザインに変え、プリーツスカートを短く（膝丈）にしたものである。
別に胸元が覗いて居たりしなくても、スカートが膝丈になってしまった時点で、もうそれは「メイド服」として許容されるものではなくフレンチメイド服なのである。そしてフレンチメイド服を着るようなメイドはメイドさんではなく、フレンチメイドなのである。